笑って笑って

<大太鼓、小太鼓 3>
詞:林 尚美   曲:上田 浩司

ドラム

バンドの演奏を意識した大太鼓と小太鼓の合奏です。子どもたちには「ホンモノ」がわかります。これは8ビートのリズムを楽しんでもらおうと作った曲です。といっても、大太鼓は♪ドーンドドン  小太鼓は♪ウンタンウンタン といった簡単なリズムを繰り返せば良いのです。この二つが合わさると、♪ドンタドドンタ という8ビートの基本リズムになります。ノリを楽しんでください。

(歌 詞)
笑って 笑って 笑って 笑って笑って 思い切り 笑っちゃえ
うれしい時も 楽しい時も 大きな声で ワッハッハ
笑いの種が はじけたら みんな こっちを 振り向いた
隣で遊んでた〇〇ちゃんも そのまた隣の△△ちゃんも
つられて いつしか 笑っているよ みんなで一緒に笑ったら
お口がモジモジ ホッペもモジモジ
モジモジモジモジ モジモジモジモジ
ほーらまた 笑いたくなってきた
笑って 笑って 笑って 笑って笑って 思い切り 笑っちゃえ

心配したって ケンカしたって いつだって 一人じゃないさ
そんな時こそ みんなで一緒に 大きな声で 笑っちゃおう
背中丸めてうつむいても 小さな声で 泣いてても
顔はクシャクシャ 心もクシャクシャ 涙をふいて笑ったら
おめめはパッチリ 心もホクホク
ホクホクホクホク ホクホクホクホク
ほーらまた 元気になってきた
笑って 笑って 笑って 笑って笑って 思い切り 笑っちゃえ

笑って 笑って 笑って 笑って笑って 思い切り 笑っちゃえ

笑って笑って楽譜1
笑って笑って楽譜2
笑って笑って楽譜3
笑って笑って楽譜4

・大太鼓「ドーンドドン」小太鼓「ウンタンウ ンタン」の基本パターンと、フィルのリズムで、バンド演奏をイメージして叩いてください。それが難しい場合は大太鼓は一拍目、小太鼓は拍打ちでも良いで す。叩ける叩き方で楽しんでください。
・太鼓の数が足りず、みんなに行き渡らない!という時は、身近な物で代用します。大太鼓は少し大きめの段ボール箱。マレットでたたきます。小太鼓はシャカ シャカ音がする少し厚手のしっかりしたレジ袋の中に丸めた新聞紙を詰めたもの。これ、スティックで叩くと、いい音なんですよ。まるで小太鼓です。これなら たくさん用意出来るので、ホンモノ楽器の順番を待つ間、みんなで練習出来ますね!

<コラム>

 全盲で肢体不自由の良樹くんは、小さい頃からキーボードのリズムボックスで遊ぶのが大好きでした。あらかじめいくつかのリズムパターンが仕込まれているので、ボタンを押すと、それが鳴ります。また、設定によっては、鍵盤それぞれに大太鼓、小太鼓、シンバルなどの楽器の音が出るようにすることが出来ますよね?良樹くんはその機能を使って、まるでリズムボックスのように鍵盤の組み合わせでドラムのようなリズムをならすことが出来ていたのです。テンポも間に入るフィルも自由自在!はじめ、キーボードの自動再生なのかと疑ったほど、正確でした☆☆☆
 それを見ていて、鍵盤から出るデジタル音の太鼓の音ではなく、ホンモノのドラムを叩かせてみたいと思ったのでした。しかし、良樹くんの足は生まれつき短く曲がっていて、ホンモノのドラムセットではサイズも合いません。そこで、音楽室にあるマーチング用などの太鼓をあつめ、シンバルをぶら下げ、いただいてきたフットペダルを台においてバスドラムに当たるようにし、良樹くん用の簡易ドラムセットを作りました。
 さあ、これでどう??と良樹くんをドラムセットの椅子に!バチを持ち、それぞれの楽器の位置やバチのあたりを確認すると、あっという間にドラム演奏をし 始めたのでした!良樹くんの頭の中にあるドラムの演奏は、たちまちホンモノドラムの音になって響き渡ったのでした!この曲は、良樹くんにかっこよくドラム を叩いて欲しいと思って作った曲なのです。思った通り、とっても楽しく、かっこ良く演奏してくれ、本人も、私も、とてもうれしい時間でした。
 キーボードを使い、デジタル音でリズム演奏するのも、一つの表現手段かも知れません。でも、視覚に障害があり、体の動きにも制約があるからこそ、一度、ホンモノをならしてみて欲しかった。体験しなければ、太鼓の音は鍵盤から鳴る物と思ってしまうからです。いろいろな代替機器がありますが、当然ホンモノを知っているからこそ代替の意味になるわけで、障がいにより制約がある場合、便利さや簡易さだけに関わり手の関心が向いてしまうと、つい、「当然知っていること」としてホンモノとリンクさせる課程を見過ごすことになってしまう危惧があります。教育はその部分を丁寧につなぐ使命をもっていると考えています。